大判例

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東京高等裁判所 昭和51年(行ケ)100号 判決

事実及び理由

審決に原告主張の取消事由があるか否かについて考察する。

本願考案が原告主張の前掲請求の原因四の1のような作用効果を有することは当事者間に争いがない。

しかしながら、熱可塑性合成樹脂竪樋(プラスチツクの管状成形品の一種)が有する、施工に容易でさびないという長所、反面、熱変形、紫外線劣化を受けやすく、損傷しやすいという欠点が周知であつたこと、引用例にプラスチツク成形品の外表面に金属皮膜を形成し、さらにその上に透明な樹脂皮膜を形成する表面処理技術が示されていること、そして、その金属皮膜によつて成形品の硬度、耐熱性、耐候性を改良し、また透明な樹脂皮膜によつて金属皮膜の硬化、磨耗を防止しうることも周知であつたことはいずれも原告の認めて争わないところであり、これらの点を総合すると、引用例開示の表面処理技術はまさに熱可塑性合成樹脂竪樋の前記欠点に対処しようとするものということができるから、従来の熱可塑性合成樹脂成形品に右表面処理技術を施した本願考案のような構成の竪樋が、合成樹脂の性質に基づく長所を保持するとともに、従来のもの欠点を補うべき金属皮膜の性質をも併有することは当業者にとつて自明の事柄にすぎないものといわざるをえない。

そうだとすると、原告の主張する作用効果の内容のうち、金属皮膜によるものは右表面処理技術を施したプラスチツク成形品に当然予測される諸性質から竪樋に適合するものを抽出し、また、樹脂皮膜によるものは従来の熱可塑合成樹脂竪樋の長所そのものを挙示したにすぎず、結局、すべて、予測される程度のものたるに帰するから、審決が本願考案を周知技術及び引用例の記載に基づき当業者が極めて容易に考案しえたものと判断したのは正当であつて、審決に原告主張の違法があるということはできない。

よつて、本件審決の違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求を失当として棄却する。

〔編註〕本願考案の要旨は左のとおりである。

熱可塑性合成樹脂竪樋基体の外表面に金属皮膜を形成し、さらにその上に透明な樹脂皮膜を形成してなる竪樋

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